給湯器の熱効率~高効率はほんとにお得?

熱源のもつエネルギーをどれだけ有効に使えているかを表すのに「熱効率」という言葉が使われます。最近では、エコキュート、エコジョーズ、ハイブリッド式などの「高効率」と呼ばれる機器が注目されています。高効率機器の仕組みとお得度を紹介しましょう。

■エコキュートの場合

熱源が電気の場合、電力エネルギーの何倍の熱量を作り出せるかを表す「熱交換率」がカタログには示されています。
エコキュートは、「ヒートポンプ」の仕組みが空気中にある熱を集めて、より少ない電力でお湯を沸かせるのです。
本来、電力が持っている熱量より多いエネルギーを利用できるなんてスゴイですね。
カタログ上3.0などの数字が示されていますが、回りの気温にも左右されますし、実質的には1.6~1.9前後ではないかと言われています。
車の燃費が実際の公道走行ではやや落ちてしまうのに似ていますね。
そうはいっても、ヒートポンプなしのときよりも電気代が少なくなるのは確かです。
もちろんかかる燃料費は少なくて済み、ランニングコストがよくなります。

■エコジョーズの場合

エコジョーズは「潜熱回収」の仕組みを使って、排気の熱を再利用することで熱効率を上げています。
一般給湯器のガス排気は、200℃ほどになりますが、この熱であらかじめ水を温めて熱交換器に通すことで、少ない熱量でお湯をわかせます。
排気から熱を奪うので、排気の温度は50℃ほどになります。
ガス熱源の場合エコジョーズ、灯油熱源の場合、エコフィールと呼ばれます。
燃料が持っている熱量の何%が利用できているかで表されることが多く、カタログ上の熱効率は95%です。
潜熱回収の仕組みを使わない場合の熱効率は80%程度と言われていますから、ぐっと熱効率が上がっています。

■ハイブリッド式の場合

リンナイエコワンなどの商品がこの方式です。
ハイブリッドの名の通り、ヒートポンプ利用の電気温水器、潜熱回収利用のエコジョーズのメリットをいいとこ取りした方式で、熱効率は138%を超えています。(リンナイ公式ページによる)
エコキュートでは、貯湯タンクにゆっくりお湯を沸かしていきます。
タンク湯切れの心配があり、お湯が不足した時に電気だけではお湯がなかなか沸きません。
単価が高い契約の電気を使って沸かすと、電気代の負担が大きくなってしまいます。
ハイブリッド方式なら、いいとこ取りでより少ない燃料でお湯をわかせます。
ヒートポンプや潜熱回収の仕組みを使うと、熱効率がより高くなります。

高効率の機器は、導入費用が高額になるので、ランニングコストと合わせたトータルの費用を比べて導入を検討しましょう。
一般的には、タンク設置の必要なエコキュートやエコワンよりもエコジョーズ、エコフィールの設置費用のほうが安くなっています。

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