エコキュートの給湯温度は『設定55℃~60℃』のワケ

エコキュートは、低料金の電力を使ってお湯を沸かし、魔法瓶のように保温することでいつでもお湯が自由に使える仕組みです。エネルギーのことを考えると、もう少し低温で設定しても良いのでは?と思えますが、55℃以上の設定がおすすめです。そのワケについて紹介しましょう。

 

■エコキュートの仕組みをおさらい

エコキュートは、オフピーク時の低価格で提供される電力を使って、1日分のお湯を沸かして、光熱費を抑えられる特徴を持っています。
タンクは、家庭向きの機種では、380リットル~450リットルほどの大きな容量を持っていて、沸かしたお湯は自然に上層にたまり、80℃~90℃もの温度になったものに、水道水を足して適温にしています。
タンク全体が、高温になっている事はほとんど無く、沸き上がりの時点でお湯と、水の二層に分かれています。
上層に貯められているお湯が順に使われ、沸き増しが間に合わない場合には、タンク内の水の層が出てしまい、“湯切れ”と呼ばれる状態になるのです。
低料金の電力で、しっかり高温にすることで、たっぷりお湯を使うことができるのです。

 

■低温に設定しない方が良いワケ

シャワーのお湯は42℃前後で十分だと言う方も多いのではないでしょうか。
お風呂のお湯の平均的な設定温度は、38℃~42℃ですから、はじめから45℃~50℃にしておけば、お湯を沸かすためのエネルギーを、最低限で済ます事が出来そうです。
しかし、タンクの中の水が毎日そっくり入れ替わるワケではありませんから、細菌の繁殖の心配の無い温度にしておく方が良いのです。
温泉などで問題になったレジオネラ菌では、20℃~45℃の温度帯を外すと繁殖予防になり、60℃以上で死滅すると言われています。
お湯の保温で細菌の繁殖を抑えるには、60℃前後の温度が必要なのです。
タンクに蓄えておくお湯の温度は、高温にしておき、水道水と混ぜて設定温度にして出湯させる方法が選ばれています。

 

■湯量・清潔の観点から55℃~60℃

貯湯タンクの沸き上げ設定温度があまり低いと、適温のお湯を作れる量が少なくなってしまいますし、細菌の繁殖も心配です。
電気温水器では、高温・低温の設定しかない機種もありますが、低温設定にした場合に65℃前後になるのが一般的です。高温では90℃です。
お湯の温度が高ければ、水道水を足して40℃~50℃のお湯を作ろうとした場合、よりたくさんのお湯を使うことができます。
湯量を確保し、清潔に使うために、タンクの沸き上げ設定温度は、ある程度、高温である必要があるのです。

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